体で覚える経営と戦略

再建屋が考える経営と戦略の論理と実態。元外資コンサル

実録外資コンサルのキャリア、ぶっちゃけたところなんでみんなやめるの?

なんで3年でやめるのか

まぁなんでみんな2,3年で辞めてしまうのかと言えば、ぶっちゃけたところ長く会社にいることが勝ちではない、とほぼ全員が思っているからですね。

コンサルであれば4,5年目のマネージャーを見て「この人みたいに5年かけてでもなりたい!」と思う人は少ないのかもしれません。そういった強烈な憧れでもないとジュニアポジションのハードワークを続ける気にはなれないということだと思います。

コンサルであれば3年目ともなると少ない労働時間、言うだけにとどまらない経営への関与、高い給料といった条件のPEファンドへの転職も可能になりますし、コンサルタントの定着が進んだため、ベンチャーのみではない日系企業の経営企画などの道も開かれました。

そこでタイプ別にコンサル3年目の分岐をどう選ぶかを本コラムでは解説します。

コンサル三年目進路三タイプ

  1. PEファンド
  2. 事業会社経営企画
  3. 会社残留

1.ファンド転職で高給路線

ファンドは給料高いです。給料高いです(二回目)。ビジネスモデル自体がコンサルと異なり労働集約ではなく、頭レバレッジが最大効くビジネスモデル、および業界カルチャーがこの給料を作っているのでしょうね。ファンド間でかなり給料は異なるようですが、3年目で転職して2000~3000万円程度の給料が相場のようです。

2.事業会社で経営企画

これも多いです。メガベンチャー系の経営企画ポジションなどは転職サイトでも元コンサルを歓迎しています。また、クライアントと接するときも元コンサルの人がいたりします。多数派としては外資系またベンチャーですね。(ベンチャーといっても数十億以上の規模がありますが)。この理由としては

・そもそも日系企業外資からの転職者をそれほど歓迎しないしカルチャーも合わない

コンサルタントはコンサル時代に日系大企業の経営企画を相手にしており社内調整に忙殺され「経営」からはほど遠いことに気付いてしまう

 

こんなのがありそうです。

 

3.コンサルに残留して出世を目指す

特別優秀かとかそういうことは関係なく、残留するか否かは本人の好みですね。

コンサルに修行として入っている人は1,2のパターンで行く場合が多く、それでも残るのであれば

・マネージャーになってからのほうが良い転職がありそう

・特にやりたいことがない

・結構いまの仕事も面白い

こんな人が残っているようですね。

ちなみに、シニア(ジュニアパートナー以上)となると結構働き方が変わります。平たく言うと外向きに戦う。パートナーは完全に外向きです。そりゃそうなんですが

パートナーのお客さんはクライアント

ジュニアパートナーのお客さんは半分クライアント、半分パートナー

マネージャーのお客さんはパートナー

アソシエイト・アナリストのお客さんはマネージャー

 

ということからわかるようにどうしてもジュニアの内は内向きに戦う、という印象が強くなります。

本当に経営者から相談される「コンサルタント」というのは少なくともジュニアパートナー以上からになりますので本当に一流コンサルタントを目指したい人は残留します。

 

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さて、いかがでしょうか。コンサルの平均在任期間は3、4年程度です。

皆さん次のルートを頭の片隅に置きながら仕事をしているようですね。

 

 

 

Wantedlyが予想以上にブラッシュアップされベンチャー界隈でいつのまにかスタンダードに


採用担当者の方へ - Wantedly Adminで採用活動をはじめよう

 

このページ、よく出来ています。訴求価値、ターゲットが非常に明確。

ベンチャーが使っていた既存求人媒体とwantedlyを比較すると大きくXの違いがあります。大きく分けると3つですかね。

  1. 価格
  2. シェア
  3. ターゲット

毎回なんでも3つに分けてしまう癖・・・これはコンサルタントの悪癖ですが、3つ以外だととても気持ち悪くなってしまう。妥協しても要素は5か7であって欲しいですね。

さて

1.価格は月額3.5万円、年間換算40万円程度

リクナビマイナビなどのサイトは年間課金が主流で、ミニマムの70万円程度があり、そこからオプションなど(説明会フォームなど)でアップセルを試みます。そこをwantedlyでは月額課金、しかも掲載数は無制限、メッセージの自由度も高いということでニーズを捉えているようです。

2.求人がシェアされる

ソーシャルメディアリクナビや転職サイトをシェアする変な人なほぼいませんがwantedlyでは「応援する」で求人がシェアされます。仲間が中にいる、そこで求人を出しているので仲間を応援する意味でのシェアが主なようですね。コレ以外にも面白そうな会社、求人をシェアするという場合があるようです。

3.ターゲットがベンチャーのみ!

これを絞ったことがwantedlyの強みです。明確にスタートアップ、他の大手企業(銀行など)は見向きもしない。これをすることにより、企業側、求人側のターゲットに経営資源を集中投下し、「ベンチャーの採用ならwantedly」という文化が出来て来ています。

 

完成度が高いwantedly、今後はベンチャー界隈でのシェアを取り切ることが課題になってきそうです。楽しみですね。

 

オイシックス高島さんが実践する仕事の楽しみ方

振りかかる問題は選べない、だが問題への取り組み方は選べる。


これがライフイズベジタブルから学ぶ中心的なメッセージです。

確かに問題は選べない、毎日、顧客からもらったデータの定義確認してー、これチャートにしといてー、送別会の用意しといてー(こういうのもある)など雑多な仕事が降り掛かってくる。

はぁー、といやになってしまうこともあるが、いやいや、これは工夫して解決することで楽しめるんじゃないか?という発想で取り組む、というのが本書の要旨だ。

 

ライフ・イズ・ベジタブル―オイシックス創業で学んだ仕事に夢中になる8つのヒント

ライフ・イズ・ベジタブル―オイシックス創業で学んだ仕事に夢中になる8つのヒント

 

 

仕事をしていると、こちらの都合とまったく関係なく問題が次々と降り掛かってくる

。問題を選ぶことは出来ないが問題を解く態度は100パーセント自分たちで決めることが出来る。どうせなら楽しみながら問題を解いて明るい日々を送りたいし、きっと其のほうが上手に問題を解くことができると思う。

ってなわけですね。 

サンクチュアリの約束」とは?

また、面白かったのは「サンクチュアリの約束」だ。

サンクチュアリは私も読んだのだが、エリートコースを歩む二人が日本を変えようと誓い合い方やヤクザの裏世界から、方や政治家のコースから、と高校時代に約束しその後も互いに協力しながら権力の階段を駆け上がるというアツい物語だ。

 

サンクチュアリ(1) (ビッグコミックス)
 

 

 

 


GREE荒木氏「『この人、10年同じ仕事していそうだな』という人がいる会社はやめたほうがいい」 - 20代の働き方 | ログミー[o_O]

 

(グリーの荒木さんもサンクチュアリ好きみたいですね、ちなみに彼とはアメリカにいたときに会ったりしました)

 

高島さんも東大の院生時代起業した仲間と「3年後、再度起業して合流しよう」という約束をし、その約束通りオイシックス創業の初期メンバーとして合流したそうだ。

学生の皆さんはこの「サンクチュアリの約束」法、実践してみるのもよさそうですね。

 

 

出てくる腹と戦え、激務と健康両立を目指して

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外資コンサルを始めとした激務村の皆さん、こんにちは。オフィスから一歩も出ず出前、コンビニだらけでしょうか。私もそうでした・・・と言いたいところですが、そうです。

そこで、私が効果あったなーと考えるダイエット方法をカテゴリ別にご紹介致します。

ダイエットに効果がある3大施策

カテゴライズすると下記3つに整理されるかなと思います。まず1は基本中の基本。やせたきゃ喰うなです。2は限定された時間の中いかに運動量を増やすかということに注目したトピック、そして3はオペレーション的ですが以下に1,2をうまく維持するかという方法。

  1. カロリー摂取量削減
  2. 運動量向上
  3. モニタリング

こいつを倒せ!炭水化物!

 

まずですね、自分がとっているもののカロリーを把握し、定量的に記録することから始めましょう。すると気付くはず・・・炭水化物の恐ろしさに!我慢しないと「ごはんが進む!」といって行ってしまいますが、どんぶり一杯のごはんだけで400kcal!ひょえー、大盛りなんてしておかずも乗せたらあっという間に1000kcalの大台突破です。


ご飯のカロリー グラムのわかる写真館 | 簡単!栄養andカロリー計算

 

対策としては

  1. ごはん少なめを注文し、味に対する満足度は落とさないながらもカロリーを落としましょう
  2. 摂取量と満足感は比例しないのですぐに満腹にならなくても「あと15分で満腹になる!」と信じて追加とか食わない
  3. 数時間してハラ減ったときはバナナで対処!

特に摂取量と満足感は比例しないは重要なポイント!ラグビー部の連中から「15分経つと満腹になっちゃうからソッコーで食べるんだぜ」と聞いたのがきっかけ。

 

2.単位時間あたりカロリー消費向上かつ運動障壁削減!

2で重要なポイントは

  1. 単位時間あたりカロリー消費が高いこと
  2. 気軽に運動できること(運動障壁が低い)

かと思います。1を重視すればそれは水泳。水泳の単位時間あたりカロリー消費は郡を抜いています。

 

こちらの記事によると65kg男性は1h運動した際のカロリー消費量は仲間が必要ないものに絞ると・・・

  1. 水泳(クロール):1337kcal
  2. ジョギング: 700kcal
  3. 階段昇り降り:478kcal
  4. エアロビ: 318kcal
  5. ウォーキング: 248kcal
  6. ヨガ: 255kcal
  7. 自転車: 229kcal 

消費カロリーの高い運動ランキング

 

水泳が郡を抜いています。ウォーキングの5倍以上!これは30分クロールしたら単純に二時間半ウォーキングした計算になりますね!しかも、水泳は頭がスッキリして仕事効率もUP。やるしかねぇ。

ただいつでもプールがあるわけではないので次点としてジョギングになりますが、1h700kcal。素晴らしい。

つまり道具・プールがあるときは水泳、無いときはジョギング(靴だけで出来る!)が最強の組み合わせということですね。

 

体重・カロリー消費・摂取を常にウォッチ

三番目のコツですが、1,2を気持ちだけで続けるのは結構たいへんです。大前研一先生も

人間が変わる方法は3つしかない。

1番目は時間配分を変える。

2番目は住む場所を変える。

3番目はつきあう人を変える。

この3つの要素でしか人間は変わらない。

最も無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。

 とか言っています。「やせる!」ではいけません、ダイエットにコレ当てはめると経営改善の基本、KPIのモニタリングです。KPIとはカロリー消費・消費・体重です。毎日継続してモニタリングしましょう、そしてコンサルタントの皆さんお得意のチャートにしてみましょう。棒グラフで意味合いが出てくるはず。 

中小企業に贈る、新規参入市場の選択

 

自らコンサルティング会社を経営していた時代から既存事業はキャッシュをある程度生んでいるが成熟した日本市場の中では大きな成長を見込めず、社員の年齢も高いためインターネットなどの新たな産業へ既存アセットを活かしても踏み込めない、という会社を大量に見てきました。

そのときに行き着く課題は「結局、どこにいけばいいのかわからず、ある人脈の中から様々な事業に手を付けたのは良いが明確な成長ストーリーが書けていないし、成長させられる人材もいない」というものです。

社長(特に一代で作ったオーナー企業の場合)は非常に大きなパワーを持ち、新規事業も作れるが新しいテクノロジーには疎い、そして新規以外にも山ほどやることはある。既存事業が安定したキャッシュを生んでいるため、そちらにどうしてもリソースはさかれがちになります。

 

さて、そのとき新規参入は多くの場合、求められている・勝てる市場ではなく「とりあえず簡単にやれる」市場から参入しているきらいがあります。既存プレイヤーがひしめく中、参入していくため市場性の見極めと競争環境、自社の優位性を設計することなく参入すると惨めな失敗が多くの場合待っています。

その際の市場選択の基準は下記三点かと思います。

 

  1. 成長余地がある市場規模
  2. 成長率がマイナスではない(もしくは縮小・均衡の中で新規性で新しい市場を作れる)
  3. 自社の強みが活きる

 

1.についてはいわずもがなですが、数十億円の市場規模で安定した事業を作ることは難しいです。ニッチプレイヤーだとしても最低300億円程度の市場規模は欲しいところ。ちなみにですね、数十億円でも年間20%のような高成長が見込める領域であれば先行投資的に貼るのはありですが、資金体力が必要になります。2014年12月に上場したクラウドワークスなどが良い例でしょう。高成長であるクラウドソーシング市場にランサーズとともに先に貼り、赤字ながら資金調達を続け売上の成長を続け上場。売上は5億円かつ赤字とここだけみると上場失格ですが、高成長を見込み上場が可能となっています。

ちなみにですね、上場判断は証券取引所と証券会社が主に関係することとなりますが、証券会社のスクリーニングは会社によって相当違うようです。一番厳しいのが野村証券、次に大和、そしてゆるゆるとウワサのSBIが続きます。上場後の株価推移を見るとその上場および初値の株価が妥当であったかどうかがわかるわけですね。

 

2.市場成長率について、マイナス市場で既存のビジネスモデルで、というのはほぼ確実に上手く行きません。マイナス成長というのは既に大手が存在する中でその大手でさえもNo1以外は案件獲得に苦しみ、小さなプレイヤーは淘汰されているという意味です。そこに小さなプレイヤーかつ業界知識・顧客基盤もないなか参入というのはないですよね。私が起業した際にも一度これをやってしまい大変苦しんだ後に利益は全く産めず解散という痛い経験をしました。業界地図や市場レポート(国内であれば矢野経済、富士経済)などを見て学びましょう。

意外とチャンスがあるのが市場が横ばいでかつ既存プレイヤーはぬくぬくと生活している市場です。横ばいであるアルバイト市場に成果課金という既存プレイヤーが出来ないスタイルで殴り込み高成長を遂げたリブセンスはこのモデルと言えるでしょう(掲載課金である既存プレイヤーが成果課金にしては既存売上の多くを失うためこのスタイルはとれないというわけです、いわゆるイノベーションのジレンマですね)。

 

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

 

 市場性についてさらに勉強したい人は絶対に!マイケル・ポーターによる名著中の名著である競争戦略の原理を読みましょう。新規参入の脅威、顧客・サプライヤーからのプライスプレッシャー・・・ここらのキーワードを抑えないと市場がいつまで成長するか、注意すべきプレイヤーは誰か、ここあたりは読めません。逆に競争戦略の原理中で説明される「ファイブフォース」のフレームワークを使いこなせることは市場性を見極める上では大きなアドバンテージとなります。

 

競争の戦略

競争の戦略

 

 

3.さて、「強み」についてですが、ほとんどの企業は他の市場で活かせる強みはなにか?など聞いても明確な答えは返ってこないものです。これは中小企業のみならず大企業でも同じです。既存市場内で自社と競合を比べることは出来るが新規参入した際に強みはなにか?というのは実はその市場をよく知り、KSF(key success factor)が何か、自社はそれを持っているか=強み、という判断をしないかぎりよくわからない、曖昧なものになります。そこで一般には語れませんが強みの種類は大きく3つに大別されます。

 

1.業界・顧客に強い

業界知識、顧客基盤などがこれに当たります。要は既存顧客に新規商材売る、というのはここですね。中小企業では2.機能に強いよりもこちらを強みにすることがお勧めな場合が多いですね。技術では大手が上、もしくは持っている強みだと思っていたことは大した強みではないからです。大手が構築したプラットフォーム上で少し事業を出来る、では完全な新規市場に行った際の明確な強みにはならないですね。

リンクアンドモチベーションは人事コンサルからスタートしてますが現在では採用、派遣まで行っています。顧客は共通、商材は別というのがこの例ですね。

 

2.機能に強い

例えば、システム系のITに強かったプレイヤーがコンシューマー系のECに進出など(失敗も多いですが)、既存の技術という若干の「強み」を活かして他市場に参入。

失敗例の多くは自社が大した強みでもないことに異常なプライドを持っている場合が多くあります。例えばスマホゲームが作れます、程度のことを強み、と思ってしまうなどですね。普通の人にとっては障壁は高いが派遣でも出来る、学生でも出来るレベルだったりするので明確な強みとはいいづらいです。

富士フィルムなどは美しい代表例ですね。リクルートもリボンモデルをあらゆる業種に当てはめるという点はこの2に当たります。

 

3.オペレーションに強い

 

トヨタ(カイゼン)、Danaher、PEファンドなどが多く持っているのがこの三番目でしょうか。特に私の個人的なお気に入り企業Danaherについて述べますがアメリカの企業でDanaher Business System(DBS)という中2病的なシステムで買収企業を改善していくというのが基本的なモデルです。この企業が秀逸なのは二点で

市場の見極めスキルが芸術的)

買収した企業がいる市場は将来高成長、もしくはコンソリデーション(競争が成熟し大手数社に収斂されている状態)が終わり利益を享受するステージに入ろうかという企業を他社が見つけにくいBtoBの世界で買収を繰り返すことができている点です。

買収というのは相手がいる世界なので戦略的に行なうことは非常に難しい、多くの場合は来た案件をどうするか判断することになりますが、Danaherはどうソーシングと見極めを進めているのか気になるくらい芸術的にこれが出来ています。

バリューアップに再現性がある)

買収ターゲットが明確にあり、それを買収したら確実にDBSでバリューアップしてきます。経営者のカリスマ性に依存しないシステマチックなバリューアップというのはPEファンドと同等以上のスキルを内部に持っているということですね。実に素晴らしく尊敬する企業です。

 

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画像引用元:Danaher

 

 

さて、いかがでしょうか。新規市場コンテストなどを内部で行っている会社も多いかと思いますが、そもそもどの市場で戦うのか、という問いに答えるときの基準にご参考になれば幸いです。